バレエ『火の鳥』の作品紹介

バレエ

音楽も大変有名なバレエ『火の鳥』。
日本での上演機会は少ないですが、オーケストラの演奏会でよく耳にする曲ですし、手塚治虫の漫画『火の鳥』もバレエ作品から着想を得て作製されたという、不思議な縁がある作品です。

今回はバレエ『火の鳥』の作品情報を記事にしました。
こちらの記事が作品理解につながりましたら幸いです☆

私Junはバレエを習って18年になる大人リーナです。
高校卒業後ブランクがあり、社会人になってから再会しました。
ジュニア時代もコンクールになど出たことない、趣味のバレエでしたが
だからこそ大人リーナさんに役立つ記事をお届けできるのではと思っています☆

バレエ『火の鳥』のあらすじ

フォーキンによる『火の鳥』の台本はロシアの2つの民話の組み合わせによります。
ひとつは「イワン王子と火の鳥と灰色狼」で、ツァーリの庭に生える黄金のリンゴの木の実を食べに来る火の鳥をイワン王子が捕まえようとする冒険譚、もうひとつは「ひとりでに鳴るグースリ」で、不死身のカスチェイにさらわれた王女のもとを王子が訪れ、王女がカスチェイをだまして魂が卵の中にあることを聞き出す話です。
本来は子供向けの童話ですが、大人の鑑賞にたえるように大幅に手が加えられています

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イワン王子は、火の鳥を追っているうちに夜になり、カスチェイの魔法の庭に迷いこむ。
黄金のリンゴの木のところに火の鳥がいるのを王子は見つけて捕らえる。
火の鳥が懇願するので解放するが、そのときに火の鳥の魔法の羽を手に入れる。

次に王子は13人の乙女にあい、そのひとりと恋に落ちるが、彼女はカスチェイの魔法によって囚われの身となっていた王女(ツァレヴナ)だった。
夜が明けるとともにカスチェイたちが戻ってきて、イワン王子はカスチェイの手下に捕らえられ、魔法で石に変えられようとする。
絶体絶命の王子が魔法の羽を振ると、火の鳥が再び現れて、カスチェイの命が卵の中にあることを王子につげる。

王子が卵を破壊したためにカスチェイは滅び、石にされた人々は元に戻り、王子と王女は結ばれる

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バレエ『火の鳥』の作品紹介

バレエ『火の鳥』は、ロシアの芸術プロデューサーでこの翌年に高名なバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)を創設するセルゲイ・ディアギレフの依頼によるものです。
振付師のミハイル・フォーキンが担当しました。

初演は1910年バレエ・リュスにより、パリ・オペラ座で上演されました。
振付:ミハイル・フォーキン
美術:アレクサンドル・ゴロヴィン
衣装:アレクサンドル・ゴロヴィン、レオン・バクスト

音楽

バレエ音楽「火の鳥」はロシアの作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキーが1910年に書き上げたバレエのための音楽です。

この作品はセルゲイ・ディアギレフが幾人かの作曲家へ作曲を依頼しましたが、最終的に前年にも編曲を依頼していた若手作曲家のストラヴィンスキーに白羽の矢が立ったと言われています。

ロシアの民話を題材とした力強い音楽は、それまでのヨーロッパ的な優美なバレエ音楽とは異なった新たな音楽の誕生を人々に印象づけ、バレエ『火の鳥』は大成功を収めます。

ストラヴィンスキーの3大バレエ

バレエ『火の鳥』を成功に導いたストラヴィンスキーは、これをきっかけに『ペトルーシュカ』『春の祭典』と言う大作をディアギレフとそのバレエ団のために作曲していくことになり、『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』は「ストラヴィンスキーの三大バレエ」と呼ばれています。

『火の鳥』『ペトルーシュカ』は共にロシア民謡を効果的に取り入れることにより大成功を収め、ストラヴィンスキーの名声はヨーロッパ中に広く知れ渡ることとなりました。

そして、ストラヴィンスキーが見た不思議な夢をもとに生み出されたのが、バレエ『春の祭典』です。
1913年に初演された際には、かつて耳にしたことのない変拍子の乱舞と錯綜するリズム、咆哮する不協和音に対して多くの聴衆が拒絶反応を示しましたが、その後すぐに評価は急上昇し、これも大成功を収めることになりました。
これら3作によって、ストラヴィンスキーは若手の革命児として名を刻まれる事になったのです。

バレエ『火の鳥』の見どころ

バレエ『火の鳥』の見どころとしては以下が挙げられます☆

  1. 豪華な衣装やセットデザイン
    ロシアの民族衣装や民謡をモチーフにしており、美しい装飾やカラフルな衣装、幻想的なセットデザインが特徴です。
    バレエ・リュスの特徴でもある、華やかな衣装やセットは観客を物語に引き込みます。
  2. 独特な音楽
    イーゴリ・ストラヴィンスキーの「火の鳥」の音楽は、ロシア民謡を組み込んだ特徴的な音楽で、バレエの世界に新しい響きをもたらしました。
    激しいリズムや劇的な楽曲が織り成す音楽世界は、観客を圧倒します。
  3. ダイナミックな振付
    バレエ・リュスは主にロシアから移住した舞踊家や振付家を中心に,音楽や振付における革新の拠点となり、フォーキンらの振付は世界のトップレベルのダンサーの身体能力,テクニック,芸術性を遺憾なく発展させました。
    また、「火の鳥」の作品に感じられる神秘性は、ロシアの民衆が大地を生き抜いていくなかで培われてきた感覚を象徴的に表わしていると思われます。
    振付についてはフォーキン以降、バランシン版、ノイマイヤー版、ベジャール版も誕生しいています。

これらが絶妙に融合した美しい舞台芸術作品として、多くの人々に愛されています☆

参考動画

以上、バレエ『火の鳥』の作品情報でした。
こちらの記事が作品理解につながりましたら幸いです☆

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