オペラで有名なカルメンですが、バレエ作品にもなっていることをご存じですか?
近年では2022年にKバレエで上演されていました。
目にする機会が多い作品ではありませんが
音楽も有名ですし、バレエ以外の演劇などでなじみのある方も
多いのではないでしょうか。
こちらの記事がバレエ『カルメン』の作品理解につながりましたら幸いです☆
私Junはバレエを習って18年になる大人リーナです。
高校卒業後ブランクがあり、社会人になってから再会しました。
ジュニア時代もコンクールになど出たことない、趣味のバレエでしたが
だからこそ大人リーナさんに役立つ記事をお届けできるのではと思っています☆
バレエ『カルメン』のあらすじ
バレエ『カルメン』は同名のオペラから着想を得ています。
物語の舞台は19世紀のスペイン。
主人公の女性カルメンは自由奔放な性格で
【第1幕】
物語の舞台は19世紀のスペイン。タバコ工場で働くジプシーのカルメンは自由奔放な性格で男たちを魅了します。ところが、衛兵のドン・ホセだけは彼女に興味を示しません。
そこでカルメンは胸に付けていたカッシアの花をホセに投げつけ、去っていきました。
そんな中ホセの婚約者であるミカエラが現れ、ホセに故郷の彼の母親からの便りを届けます。
仕事に戻った女工たちは工場の中で喧嘩騒ぎを起こします。
原因はカルメンにあり、彼女は捕らえられます。
しかしカルメンは、衛兵のホセを誘惑して手縄をゆるめさせ、逃げ去りました。
【第2幕】
カルメンたちが衛兵隊長スニガと酒場で歌い踊っていると、
花形闘牛士エスカミーリョが現れ、カルメンの気を引いています。
釈放されたホセが酒場に着くと、カルメンはホセのために歌って踊り、
密輸団の仲間になるよう誘います。
カルメンの色香に迷ったドン・ホセは、
婚約者ミカエラを振り切ってカルメンの元に行き、
さらに衛兵隊長スニガとのいさかいのため
密輸をするジプシーの群れに身を投じます。
しかし、そのときすでにカルメンの心は闘牛士エスカミーリョに移っていました。
【第3幕】
山中でジプシーの女たちがカードで占いをしますが、カルメンが占いをすると、
不吉な占いが出て結末を暗示します。
密輸の見張りをするドン・ホセを、婚約者ミカエラが故郷に戻るよう説得しに来ます。
山を登ってきたエスカミーリョはホセと遭遇し、恋敵同士で決闘になります。
騒ぎが収まったあと、思い直すように勧めるミカエラを無視するドン・ホセに、
ミカエラは切ない気持ちを一人独白する。
カルメンの心をつなぎとめようとするドン・ホセですが、
カルメンの心は完全に離れています。
ミカエラから母の危篤を聞き、
ドン・ホセはカルメンに心を残しつつ、密輸団を去りました。
1か月後、闘牛場前の広場。
この日は闘牛の当日で、カルメンと愛の言葉を交わした
闘牛士エスカミーリョが闘牛場に入っていきます。
広場に残ったカルメンの前に現れたのが、戻ってきたホセです。
やり直そうと言うホセでしたが、カルメンは彼を相手にしません。
しつこく食い下がるホセに対し、カルメンは昔もらった指輪を投げつけました。
そのときホセは激昂してカルメンを刺し殺してしまいます。
そしてその場に呆然と立ちつくしたのでした。
バレエ『カルメン』の作品紹介
振付
バレエ『カルメン』は、いくつかの版があります。
プティ版
ビゼーの音楽を使用し、ローラン・プティによる振り付けによるものが
1949年にロンドンのプリンス劇場で初演されました。
この作品が最初に成功を収め、その後も上演される
バレエ版『カルメン』の元祖となります。
プティ版のカルメンは黒髪のショートカットに黒いコルセット姿で
今でも斬新さを感じます。
アロンソ版
アルベルト・アロンソの振付、ロディオン・シチェドリンの編曲による
『カルメン組曲』が1967年、モスクワのボリショイ劇場で初演されています。
カルメン役はマイヤ・プリセツカヤが演じました。
プリセツカヤがキューバ出身の振付家アロソンの
作品に衝撃を受け振付を依頼したそうです。
原作をかなり思い切ってデフォルメしているのが特徴で
原作に登場するヒロインやヒーローたちを真正面から描くのではなく
思い切って風刺的に描き、バレエの演技的表現を組み合わせてストーリーを展開します。
エック版
マッツ・エックの振り付けで、シチェドリン編曲の「カルメン組曲」を用いたものが
1992年にクルベリ・バレエ団で初演されました。
マッツ・エックはスウェーデン出身の現代バレエを代表する振付家です。
エック版のカルメンは葉巻を加えて登場する斬新な解釈で
物語もカルメンを殺害したホセが死刑執行前に記憶をさかのぼる設定になっています。
これは原作小説をなぞっており、オペラや他の版に見られない構成です。
音楽
バレエ『カルメン』の音楽は、ビゼーのオペラ音楽を編曲して使用しています。
オペラ『カルメン』は世界で最も人気のあるオペラのひとつで
名曲が多くちりばめられています。
ハバネラ 第一幕でカルメンが歌う曲です。
作曲家について
『カルメン』は、ジョルジュ・ビゼー(1838年10月25日 – 1875年6月3日)は、
19世紀フランスの作曲家により作曲されました。
早世により断たれたオペラのキャリアによりよく知られています。
最後の作品となる『カルメン』がオペラ史の中でも最大の人気と上演回数を誇っています。
『カルメン』は1875年3月3日、パリのオペラ=コミック座で初演されます。
音楽(歌)の間を台詞でつないでいくオペラ・コミックの作品でしたが
客入りと評判は決して悪くなく、ビゼーのもとには『カルメン』のウィーン公演と
そのために台詞をレチタティーヴォに改めたグランド・オペラ版への改作が依頼されました。
この契約を受けたビゼーですが、持病による体調不良から
心臓発作を起こして急死してしまいます。
そこで友人である作曲家エルネスト・ギローが改作を担当して
ウィーン上演にこぎつけ、それ以降フランス・オペラの代表作として
世界的な人気作品となりました。
以上がバレエ『カルメン』の作品紹介でした☆
こちらの記事が作品理解につながりましたら幸いです。
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