参考動画あり!バレエ『卒業舞踏会』の作品紹介

バレエ

大型の国際バレエコンクールの日本人受賞者のバリエーションや、日本バレエ協会の『全国合同バレエの夕べ』で踊られているバレエ『卒業舞踏会』。

YouTubeでバレエ動画を見たりすると、踊りを目にする機会もあるのではないでしょうか?
しかし、プロの舞台での上演回数はあまり多くなくマイナーなイメージのある作品ですので、今回はバレエ『卒業舞踏会』について、あらすじ、作品紹介、バリエーション紹介を記事にしました。

こちらの記事がバリエーション選びや作品理解につながりましたら幸いです☆

私Junはバレエを習って18年になる大人リーナです。
高校卒業後ブランクがあり、社会人になってから再会しました。
ジュニア時代もコンクールになど出たことない、趣味のバレエでしたが
だからこそ大人リーナさんに役立つ記事をお届けできるのではと思っています☆

バレエ『卒業舞踏会』のあらすじ

舞台はウィーンの女学校、広間で行われる卒業記念舞踏会の様子が描かれています。
舞踏会に招待されたのは、将軍と士官、そして士官候補生。
彼らを迎えるのは女性校長と女学生たち。祝賀的な雰囲気の中、淡い青春の恋模様が繰り広げられます。

余興として披露されるのが、鼓手のソロ・シルフとジェイムズのパドドゥ・女学生と士官候補生による踊りもいくつか。そして女学生同士のフェッテ競争!

そうこうするうちに、楽しい舞踏会もおしまい。士官候補生たちは老将軍に率いられて帰途につき、女学生たちもお休みの時間。
暗くなった広間に忍び足でやってきたのはソロの士官候補生とそのパートナー。こっそりデートもつかの間、現れた老将軍が士官候補生を連れ帰り、女性校長が女の子を連れて、今度こそお開きとなるのでありました。

あらすじを読んでるだけでも楽しくなる作品です✨

バレエ『卒業舞踏会』の作品紹介

バレエ『卒業舞踏会』は、ド・バジル大佐率いる第二期バレエ・リュス(バレエ・リュス・ド・モンテカルロ)が第二次世界大戦の戦火を逃れて渡ったオーストラリアで初演したコミカル・バレエの傑作です。シドニーで1940年に初演されました。

音楽

『卒業舞踏会』の音楽はドラティがバレエ・リュスの指揮者として活躍していた1939年(33歳)に、同団の為に書いたもので、その際ヨハン・シュトラウスのマイナーな曲を素材としました。そのため、楽曲についてJ.シュトラウス2世:バレエ《卒業記念舞踏会》(ドラティ編)と記されるのですね。

使用される楽曲はこのようなものです↓

1イントロダクションと女生徒のワルツ
2士官候補生の到着
3宴の始まり
4鼓手の踊り
5レ・シルフィードとスコッツマン
6お茶目な踊り
7ヴィルトゥオーソ・ポルカ
8ライヴァルのバレリーナ
9先生と生徒
10常動曲
11マズルカ《将軍と女校長》
12グランド・ガロップ
13フィナーレ

コンクールなどでよく見られるバリエーションは、ヴィルトゥオーソ・ポルカです✨

作曲家について

ヨハン・シュトラウス2世

1825年10月25日、ウィーンに生まれました。オーストリアだけでなく、ヨーロッパ中で人気を博した作曲家・指揮者です。ワルツ王の異名をもち『美しく青きドナウ』、『ウィーンの森の物語』、『皇帝円舞曲』などのよく知られたワルツを数多く生み出しました。

アンタル・ドラティ

1906年4月9日、ブダペストに生まれました。ナチスに追われてイギリスへと渡り、1935年にはモンテカルロ・ロシア・バレエ団の指揮者となりました。この時期に、ヨハン・シュトラウスの音楽に基づいたバレエ『卒業記念舞踏会』を作成しています。

ウィーンの作曲家の曲でウィーンの女学校の様子を描くなんて、粋ですね✨

バレエ『卒業舞踏会』のバリエーション

『卒業舞踏会』では、舞踏会の余興という設定でいくつかのディベルティスマンが踊られます。

代表的な女性のバリエーションは、即興第一や即興第二と呼ばれる女学生の踊りです。
劣等生と優等生など、様々な呼び方がありますが、対照的な性格の二人の踊りになります。

コンクールなどでよく踊られるのは、即興第二、優等生と呼ばれるこちらのバリエーションです。
透明感のある若々しい振り付けがすてきですね!

卒業舞踏会 第二即興ソロ動画
こちらは世界最大の奨学金バレエコンクールYAGPの2022年シーズンで最優秀賞「ホープ・アワード」を受賞した原明日香さんの映像です。

柔らかい上半身や腕の使い方が良家の女学生らしさ、優等生らしさを表現しているなーと思いました!
特に最後のバロネ部分は大変そうですが、舞台の様子を見ると若者のパーティーらしくみんなが盛り上がっているシーンなのです✨バリエーションとして一人で舞台に立つときも、その躍動感が伝われば最高ですよね。

マイナーなバリエーションではありますが、村娘でなく「普通の人」の役でここまで可愛らしいバリエーションは貴重なのではないでしょうか😊
ジゼルのような妖精系やオーロラ姫のようなお姫さま系は表現・雰囲気づくりが難しいところでありますが、「普通の人」の役であれば自分の感情を活かして踊りやすいのではないかなと思っています。
そのため、「普通の人」のバリエーションである『卒業舞踏会』も、ぜひ踊りを選ぶ際の選択肢に含めて見てください✨

以上がバレエ『卒業舞踏会』の作品紹介でした☆
こちらの記事がバリエーション選びや作品理解につながりましたら幸いです。

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